グランド・サークル旅行記−2002年2月 Part I

帰国前に行きたい場所として、家族の意見が一致して、もっとも「アメリカらしい」場所と考えたグランド・キャニオン周辺(グランド・サークルと呼ばれる)を一周した。コースは、ボストンからラス・ベガスに飛び、レンタカーでグランド・キャニオン(サウスリム)へ。ここで2泊し、次にモニュメント・バレー、レイク・パウエル(ペイジ)、ブライス・キャニオンでそれぞれ1泊し、最後にラス・ベガスでも2泊した。計画時には、2月という時期を多少心配したが、ボストンの寒さに慣れている私たちには、心地よい?気候で、人も少なく、天気にも恵まれ、最高の旅行だった。なお、今回、旅程に入れなかったところで、有名な、化石の森、メサ・ベルデ、アーチーズの3箇所も1週間なら実際には問題なく組み込むことが可能だが、あまり長距離の移動をしたくない、ひとつの場所をゆっくり見たい、ラスベガスでも遊びたいという希望から、7泊8日かけて、グランド・サークル4分の3周くらいの規模で回った。

以下、お勧めポイントは、
1.グランド・キャニオンの冬は、とても良い!
  何よりも人が少なく、自由にみられるし、宿泊予約も楽。
2.高いけど、ヘリコプターのツアーは、乗る価値がある。
3.1日で200マイルくらいの移動は、まったく問題ない。
4.ブライス・キャニオンは、良かった。
5.こども連れなら、ラス・ベガスは、サーカス・サーカス
という感じでしょうか・・・
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1日目:フーバー・ダム、グランド・キャニオン(サウスリム)

ボストン発7時30分、AmericaWestの直行便*で、10時30分にはラス・ベガスに到着。ボストンから防寒着を着てきた私たちは、半袖の人々に囲まれちょっと場違いに思われるほど暖かい。ラス・ベガスの空港は、ターミナルの中に、スロットマシンが並び、ちょっと異様。空港の外は、少し走ると、いきなり砂漠のようなだだっ広い荒野が続く。(右上写真)全米一の大きさを誇るフーバー・ダムを通り、一路、グランド・キャニオンへ。フーバー・ダムは、黒部ダムを見ていたら、たいしたことはないスケール。ベガスからサウスリムまでの距離は、260マイルあるが、途中の道は75マイル制限が多く、おまけに、まーーーすぐな部分が多いので、85−90で飛ばせて、たいしたことはない。この日は、ちょうど日没時にキャニオンに着いたので、薄暗くて、景色そのもはよくわからず。しかし、何よりも、ボストンのニューイングランド・ペイトリオッツがスーパーボールを戦って勝っていたので、途中でハンバーガーとビールを買って、サウスリムのThunderbirdLodgeにあわててチェックインして、後半から応援。劇的な勝利に、感激して、時差のために2時間(ラスベガスでは3時間)長い1日を終える。

*1人300ドル。直行便でなければ、この時期、往復で一人160ドルくらいからあったが、この便だと、当日中に、グランド・キャニオンに到達できるというメリットがある。260マイルあるが、途中の道は、ただし、フェニックスなどの他の都市だと、もっと高い。ラスベガスは、運賃が特に安い。

2日目:グランド・キャニオン(ヘリコプター観光)、アリゾナ大隕石孔

時差で早起きし、薄明るくなるグランド・キャニオンを窓から眺める。ここは標高が2100maくらいで、夜は寒く、華氏10度(摂氏だと氷点下10度)まで冷え込んだが、早速、散歩する。すごーーーい!これまで何度も写真とかでは見たけれど、やっぱりこの迫力はすごい!(左上写真)車で、いくつかのポイントから見て回った後、今回、一番の贅沢のヘリコプター観光にでかける。(大人1人150ドル)ヘリコプターは、一番大手のパピヨンという会社(http://www.papillon.com/)のものに乗ったが、これは、操縦士を入れて7人乗り。2人のカップルと、うちの4人家族が一緒になり、カップルの女性が「体重のバランス」の関係で「助手席」で一番、よい席だった。*2列目と3列目は向かい合わせ。騒音がすごいので、ヘッドフォンをして、いざ、出発。軽く、ふわっと浮き上がったことと、真下が見える窓になっているので、手が届きそうなくらい低い高さを、しばらく飛んだことが印象的。キャニオンを横目で眺めると、底は見えず、溝のように見えてくる。(右写真上)
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ヘリポートから、サウスリムの東側に向かって、平原の上をしばらく飛んで、キャニオンの上空に到達。これも、感激!おそらく高度200−300mで飛んできて、いきなり2000mの深さを持つ谷の上に入るので、急に底が抜けたようで、背筋が寒くなる感じだった。また、その後、谷の中にも入るが、谷の壁に最接近したときは、ぶつかるのではないかと、かなり怖かった。一般に、サウスリムより、ノースリムからの方が良いと言われるが、冬期閉鎖されるノースリムにも、ヘリコプターに乗れば、行くことができ、そちらからの眺望も楽しめる。上から眺めるグランド・キャニオンは、やはり格別だし(右下写真)、ヘリコプター体験は、楽しかった。

*チェックインする時に、チェックインカウンターに立つと、足元が四角い絨毯になっていて、ここで、体重を計られてしまう。
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ヘリコプター観光に堪能したあとは、120マイルほどドライブして、アリゾナ大隕石孔に行った。流れ星をみるためだけに、東京から富士山や、九十九里浜にでかけ、ボストンでも午前3時に真冬の海岸に行った家族なので、ここははずせない。行ってみると、だだっぴろい砂漠の真ん中に、巨大な円形の土手が広がる。外縁を登ると、火山の火口のような穴ぼこが空いている。うーん、なんというすごさ・・・隕石の衝突のすごさとともに、その回りに、なーんにもないアリゾナの荒野を見渡して、その広さも実感できて、わざわざ行って良かった。その後、日没前にグランド・キャニオンに戻り、前日見損ねた、キャニオンの夕焼けを楽しむ。朝日が当たった時と、夕陽では、表情が異なる。グランド・キャニオンに戻らなくてよければ、大隕石孔から化石の森に向かい、キャニオン・ド・シェイ、メサ・ベルデ、と回るルートも、良いと思う。ただ、後述のキャニオンの東側も非常に良いし、キャニオンには1泊はした方が良い。
3日目:グランド・キャニオン、リトル・コロラド・リバー、メキシカン・ハット、グースネック州立公園、神々の谷、モニュメント・バレー

ロッジをチェックアウトし、またグランド・キャニオンを眺める。トレイル・ビューポイントからは、ミュールのツアーが谷底に下っていくのがよく見える。このツアーは12歳以上でなければ参加できないし、徒歩では、子供たちがとても上って来れないので、谷に下りるのは、今回はあきらめて、サウスリムを東へ。グランド・キャニオンは、長さが300kmあるので、しばらく走っても、まだたくさんのビューポイントがある。その最後が、デザート・ビューで、ここには、展望台があり、そこから見渡すと、グランド・キャニオンの東端と、それが、徐々になだらかになって、その東に広がる平地に連なっているところがよく見える。ここから、先も、素晴らしい景色が続く。特に、リトル・コロラド・リバーが作る渓谷は、高さが300mほどと、グランド・キャニオンよりずいぶん小型だが、その分、渓谷の反対側の平地まで、ずっと見渡せるため、平地に300mの切れ込みが、深く刻まれている様子がよくわかり、なかなか迫力がある。この地形を見た瞬間に思いついて、谷に向かって大声で叫んでみると、久しぶりに、響きのよい山びこを聞くことができた。(子供が大喜びで真似して、大騒ぎになったが・・・)
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Gooseneck.jpg このあと、東へ進む道は、周りの風景が、いろいろ変わって、非常に楽しいドライブだ。基本的には、グランド・キャニオンのなれの果てのように、川が削ってできた広い平原なので、両側に綺麗な地層が露出した崖にはさまれているが、その様子がさまざまに変化する。面白い形で残った土手?もたくさんあり、富士山型をしたマウンドが、散在する。それらは、どうやら、その頂上に硬い石があり、そのおかげで、侵食されずにその下が残るらしい。どんどん走っていくと、そのような残った土手(残丘、ビュート)の巨大なものが立ち並ぶ、モニュメントバレーに到達する。(写真右上)ここは、翌日観光予定なので、少し通り過ぎて、メキシカン・ハットの町まで行く。この町は、サン・ファン川の作った渓谷の中にあり、町に入る道そのものが、素晴らしく美しい。町を越えると、町の名の由来になったメキシカン・ハット・ロックがあり、その先に、グースネック州立公園がある。ここは、サン・ファン川が蛇行している様子がよく見える場所だが、いやはやすごいもので、たった100m位の距離を進むのに、数キロの蛇行しているそうで、この高台からだけでも、5回くらいくねっている様子がよくわかる。(写真左)ここは、マイナーなポイントのようで、誰もいなかったが、モニュメントバレーからは30分くらいなので、ここに来たら、是非お勧め。その少し先に、神々の谷(TheValleyofGods)があり、これは、モニュメントバレーの小型で、面白い形をしたビュートがたくさんある。
ここで、引き返して、モニュメント・バレーのThe Goulding Post Lodgeに泊まる。このロッジは、夏は非常に人気があるそうだが、この時期は、前日の予約で十分。ロッジから、モニュメントバレーが綺麗に見えて、特に、夕焼けに染まる ビュートを見ながらレストランで食べるのはお勧め。なお、ここはナバホ族の国なので、アルコールは禁止で、レストランには、ノン・アルコールのビールとワインが置いてある。また、この日の昼食に途中の町で、中華料理屋に入ると、店員もお客も、大半がネイティブ・アメリカンの人たちで、これだけまとまった数のインディアンの人と会うのは、初めての経験だった。 Gouldings.jpg
4日目:モニュメント・バレー、レイク・パウエル

モニュメント・バレーは、午前9時から、約3時間のツアーに参加した。・・・が、参加したのは、うちの4人だけで、運転手さんを一人占めにして、いろいろ話して、インディアンのことが良くわかった。彼との話で一番盛り上がったのは、ここナバホの気候と、ボストン、日本の気候の比較の話*。アメリカでは、白人たちが、夏は25度くらいまで冷房を効かせても、暑がり、冬も薄着でいるのに、驚くことが多いが、この日は、わりあい穏やかな日だったのに、運転手のジムが、寒がっていたのは、面白かった。見た目も、日本人に似ているし(右の写真で、赤いジャケットを着ている)ネイティブ・アメリカンの人には、本当に親近感を感じる。

*後日、アメリカ人(白人)の友人と話したところ、彼がニューメキシコに行った時にネィティブ・アメリカンの人々のことで一番印象に残ったのが、彼らが天気・気候のことをよく話題にすることだったそうだ。彼も、私同様、好奇心旺盛な人なので、いろいろな人と、たくさん話をしたそうだが、人々の会話に、気象のことが多いだけではなく、初対面の彼に対しての最初の挨拶も、「今日の雲は綺麗だと思わないか?」という感じで始まり、それに対して、機転の富んだ返事をしないと、「こいつは話ができない奴だな」という感じで受け取られてしまい、ちゃんと会話が続かず、彼自身は困ったそうだ。日本語には、雲を表す単語だけでも、たくさんあるが、そんな部分でも、ネィティブ・アメリカンの人々には、親近感を感じる。
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MV2.jpg モニュメント・バレーの中は、未舗装で、特に奥の方は、かなり道が悪い。途中までは、自家用車でも観光できるが、ツアーしか許可されていない奥の方には、レインボーブリッジも顔負けの面白い岩の造形が、いくつかあるので、時間があれば、ツアーの参加を勧める。また、ツアーでは、ホーガンという、インディアンの伝統的な丸型のテントのような住居の見学などもさせてくれる。モニュメント・バレーは、アメリカの原風景とも呼ばれるそうで、ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン出演という西部劇によく使われたが、サルの惑星とかにも使われていて、非常に印象的な風景である。この風景は、ホント、一見の価値があります。
ツアーを楽しんでから、名残りを惜しみながら、昨日来た道を途中まで引き返し、レイク・パウエル(http://www.lakepowell.com/default.html)に向かう。レイク・パウエルは、グランド・キャニオンを作ったコロラド川をせき止めたグレン・キャニオン・ダムによりできた人造湖で、このダムのそばにペイジという町があり、そこには、Wahweap Marina という夏にはwater sports でにぎわうマリーナがある。ここのホテル(http://www.lakepowell.com/lodging/lodging.html)のプールは、湖を見下ろして、最高の景色で、ちょうど、穏やかな気候になったので、子供たちは大喜びだった。

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