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不眠症のコーナー     2001年1月15日更新

ここでは「眠れない」人に、下の3つのステップで、その原因を自分で探してもらい、うまく解決してもらう手助けをしたいと思います。

1.なぜ眠れないか探ってみる(不眠症の原因)
2.よりよい眠りを取る方法を探してみる(不眠症の対処法)
3.それでもだめなら薬も試してみる(睡眠薬について)

1.なぜ眠れないか:不眠症の基礎と原因による分類

不眠症と一口に言っても、人により症状は様々です。一番多いのは、寝つきが悪い(入眠障害)ですが、途中で目が覚めてしまう(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)ということもあります。また、中途覚醒の中にも、眠りが浅いのか、悪夢で目が醒めてしまうのか、といった違いがあります。そのどれなのかにより、治療法・対処法も異なります。そして、何よりも大切なのが、不眠になった原因を探ることです。そこで、まず、どんなタイプの不眠症なのか、考えてみましょう!

注意:国際的な睡眠障害の診断基準(ICSD)では、不眠症と過眠症はひとつのカテゴリーで扱いますし、こことは異なる分類がされています。その詳細については、教科書を参照して下さい。この分類は、臨床的に出会う頻度の高いものを一般の方に対してわかりやすく解説したもので、作者のオリジナルなものです。


1.病気ではない不眠(生理的不眠)
 睡眠充足状態:
たとえば、夕方に昼寝をしてしまえば、誰でも寝つきが悪くなります。また、睡眠時間が5時間程度の短時間で全く問題のないかたもいます。そのような方は、8時間普通に眠った次の日は、寝つきが悪くなります。これは病気とは言えませんね。(睡眠時間についてを参照)「あー、今日は寝坊したから、眠れないよ・・・」
 加齢性の不眠:睡眠は生涯を通じて量・質ともに変化します。歳とともに、朝早く目が覚めるようになったり、眠りが浅くなることは正常なことです。詳細は、睡眠の老化現象についてを参照して欲しいのですが、老化現象は睡眠から始まると言ってもいいくらい、睡眠の質の変化は若い世代から始まります。「40の声を聞いたばかりなのに、もう明け方、目が覚めやすくなった気がする・・・」というのは、正常なことです。
 生体リズム性の不眠:本来、体が昼だと思っている時間帯は眠気が非常に弱くなります。海外旅行で、日本で昼である時間帯が夜になってもすぐには眠れません。(時差ボケの項参照)夜眠れなくて、朝寝坊してしまい、翌日もまた寝つきが悪くてという悪循環を繰り返すこともよくあり、これらは1日の規則正しい生活リズムが乱れて起きていると考えられます。このようなリズム障害は別項にも扱いますが、「寝つきが悪いこと」がその悪循環の根本的な原因である場合は、リズム障害性の不眠です。(リズムの異常のコーナーを参照)
 この1番に並べた原因による不眠は、病気ではありませんが、程度や社会的・自覚的な要請により、不眠症として治療する必要があることもあります。

2.過緊張性の不眠
 働いている人の中で経験する不眠症は、これが一番多いでしょう。日中、仕事などによる緊張で神経が高ぶった状態になり、本来、神経が休むべき夜間になっても神経の緊張がとけないためになかなか寝付けず、また寝入っても、眠りが浅く、睡眠不足になる状態です。「今日は12時までの残業で疲れ切って帰ってきたのに、なかなか寝付けなかった。おまけに、途中で目が覚めたし・・・」

3.ストレス性・精神外傷性の不眠
 これは基本的には2.と同じものなのですが、もっと具体的にはっきり原因が存在するものです。例えば、辛い思いや嫌な思いをした時、どうしても気になること・悩みがある時、腹が立つ時、など、誰でも眠れなくなります。「次のプロジェクトの担当になって以来、どうも寝付きが悪いな・・・」「彼女にふられてから、ベッドに入るとついくよくよして考え込んで、目が覚めてしまう。」

4.カフェイン・薬・アルコールによる不眠
 コーヒー、お茶などカフェインの摂取は睡眠を障害します。睡眠を障害する副作用を持つ薬もあります。また、意外なことに、アルコールは寝つきを多少よくすることもありますが、睡眠を障害します。「最近、寝付きが悪いから、寝酒をするようになったのに、それでも朝、早く目が覚めてしまう。」というのは、お酒が悪い可能性があります。

5.環境性の不眠
 睡眠環境が悪ければ、眠れないのは当然なのですが、寝室の騒音・明るさ・温度や寝具の選択に無頓着な方がいます。これだけが、原因ではない場合でも、睡眠環境を整えることは、よい睡眠を取るためには大切です。

6.精神的な疾患による不眠
 うつ病を始めとして、多くの精神的な疾患で睡眠が障害されます。特にうつ病は、過明と不眠の両方の症状が出ます。3番のストレス性・精神外傷性の不眠が、特に長引く場合は、「うつ病」に移行している可能性を考える必要があります。「肉親が亡くなって、もう1年も経つのに、今でも思い出して眠れない・・・」とか、「特に悩みがあるわけではないんだけど、最近、どうも仕事にやる気が見いだせなくて、夜もなんとなく眠れない。」というような方です。

7.その他の疾患による不眠
 精神疾患ではなくても、睡眠を障害する疾患もあります。自律神経の機能を障害する疾患は特に注意が必要です。また、自律神経系に作用する薬が睡眠を障害することもあります。(自立)

ここまで、読んでみて、何か思い当たることがありましたか?もしなくても大丈夫!特にこれといった原因がなく、眠れないことに悩んでいる人もたくさんいます。原因では一つだけではないこともあります。また原因を知ることは大切ですが、例え原因がわかったとしても、それを取り除くことができないこともあります。
ですから、不眠症の場合、対処法が重要です。

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